御家庭の幸せを願う印鑑『吉相印』

　 　お金持ちは黙っていてもますますお金持ちになっていく。 貧しい人はどれだけ 努力しても貧しさから逃れられない。これはいったいどうしてでしょうか。 　この答えはマーフィー博士がよく使われる「富裕感覚」から説明できます。 　富裕感覚とは「自分はお金持ちである」という確信です。そう確信できれば、 お金に困ることはないというのです。 　　ある貧しい青年が百万ポンド紙幣を手に入れました。 ある富豪が一ヶ月だけ 預けると言ったのです。 「ただし使ってはいけない」という条件がついていま した。 　　青年は洋服屋へ行くと背広を新調しました。百万ポンド紙幣を見せただけでツ ケがきいたからです。 　レストランへ行くと「毎日ただで食べさせるから来店してくれ」と頼まれます。 　噂を聞いて青年を見物にくる客を当て込んだのです。 もちろん、青年は自分 と富豪の約束を伏せていました。 　　だから事情を知らない人間は、みんな彼を大金持ちだと思い込んだのです。青 年はこの信用を利用して社交界に出入りするようになり、そこで大金持ちの令 嬢と恋仲になります。 　そうこうしているうちに、噂を聞きつけた友人から投資話が舞い込みます。彼 が承諾すると、金持ちの信用で話がとんとん拍子に運んで、青年はその紙幣を 富豪に返す約束の日までに、本当の大金持ちになってしまうのです。 　これはマーク・トゥエインの短編小説『百万ドルの紙幣』の話ですが、彼が一 銭も使わずに金持ちになれたのはなぜでしょうか。 それは彼が貧しいのに金持 ちのように振舞ったからなのです。 お金持ちが何をやってもうまくいくように見えるのは、実際にお金を使うから ではではなく、「お金持ちである」という自分の確信と周りの信用の作用のほ うがはるかに大きいということです。 　もちろん最終的にはお金が必要な場面が出てきますが、そこまでのプロセスは 実はお金ではない。「お金持ちである」という確信が決定的にものを言ってい るということです。 私たちも同じよう振舞うことができるはずです。

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　　マーフィー　運がよくなる魔法の練習帳　マーフィー理論研究会　編著