物事はどんなことでも、二通りの解釈ができます。 たとえばお財布の中に千円札
一枚がある。 そのとき「え、たった千円しかないの」はマイナス思考、「まだ干円
あるわ」というのがプラス思考の考え方です。
物事は何でもプラスにもマイナスにも考えられますが、マーフィー博士は「できる
だけプラス思考でいくこと」を勧めています。 実はこれには深いわけがあるのです。
それは人間は誰もが本能的にはマイナス思考の存在だからです。 どちらに解釈し
てもいいのに、なぜ人間は悪いほうに解釈することが多いのでしょうか。 それはほ
かの動物と違って大脳を発達させたからです。
要するに頭がいい。 頭がいいから先が読めるんです。 けれど、先を読むとき、
悪いほうを想定することが圧倒的に多いんですね。 これは無理もありません。 悪
いほうに想像するから準備ができる。 予防策が講じられる。 そうやって人類は文
明を発達させてきたのです。
マイナス思考が体にしみ込んでいる。 今でも自分で修正しない限り、七割から八
割方はマイナス思考で考えるのが人間の思考習慣なのです。 マイナス思考も悪い
わけではありませんが、困ったことが一つあるのです。
それは、考えたことが潜在意識に刻印され、実現の方向に動き出すことです。 「悪
いことが起きる」と考えてばかりいると、本当に悪いことが起きてくるのです。 実際
に「自分はお金に恵まれないのね」とか「いつも損ばかりしているわ」などと思ってい
る人は、そう思わない人に比べると、悪いことが起きる確率がとても高くなるのです。
このことはすでに自己暗示の法則として、心理学の世界では動かしがたい事実とし
て認められていました。 しかし最近になって遺伝子の働きからも、それがはっきり
と確認できるようになつたのです。
ですから、プラス思考の習慣がないと、人生はつらく苦しく、悩みが多いモノにな
ってしまう可能性が大きい。 その前提に立ったアドバイスが、マーフィー博士のこ
の言葉には込められているのです。マイナス思考は放っておいてもしてしまいます。
だから意識してプラス思考をしてバランスをとる必要があるのです。
マーフィー 運がよくなる魔法の練習帳 マーフィー理論研究会 編著