30.愛はお金を生かすための羅針盤
あなたが世の中の人に支払わなければならないのは、金銭ではなく、「愛」です。
貧しかったときにはやさしくて思いやりのあった人が、成功してお金持ちになると、
やさしさも思いやりもなくなつてしまうことがあります。
そういう人の成功は長続きしません。 なぜなら人が最終的に求めるのは愛だから
です。 よく女性は「愛の証がほしい」といった言い方をします。 その証がお金で
あったとしたら、そのお金は愛を示す道具に使われたのです。
つまりお金は手段であって決して目的にはなりえないのです。
ところがお金を持つと、お金の威力に酔って、愛の大切さを忘れてしまうのです。
どんなことをするにも、根底には「愛がなければ効果は台無し」 ということを忘れて
はいけません。
たとえば、お金のある人が慈善事業に寄付するとします。 そのとき「くれてやる」
というような態度だったら、決して感謝されないでしょう。 お金は受け取ってもらえ
るでしょうが、お金を出した上に軽蔑されてしまうかも知れません。 まず愛があっ
て初めて寄付という行為が生きてくるのです。
ヨーロッパの貴族は昔から慈善活動を活発に行ないました。 しかし、その本音
は自己満足と保険でした。 保険の意味は、自分たちの身分を守るために、民衆
を懐柔したということです。
全部が全部そうであったわけではありませんが、そういう意味合いが大きかった
のです。 だから、いつまでも通用せず、結局は貴族のほうが没落しました。 根
っこのところで愛に欠けていることを見抜かれたからです。
お金を受け取る側にも同じようなことが言えます。
受け取る権利があったとしても、ただ権利として受け取るだけでなく、愛と感謝
をもって受け取らなければ、決してよい結果にはなりません。
他人を愛し自分を愛することは、この世で最も高い美徳であり、それなくして豊
かな生活はないということです。
マーフィー 運がよくなる魔法の練習帳 マーフィー理論研究会 編著