どんな境遇であっても、与えられた環境でベストの生活をするように心がけ
るのは豊かさを手に入れる上でとてもよいことです。 なぜかというと、富裕
感覚を持つことが、その感覚をますます拡大させる原動力になるからです。
よくこういうことを言う人がいます。 「今はだめだけれど、何とかなるように
努力しています。 今はがまんの時期なのです」。こう言いながら、不本意な生
活を続けていると、ますますよくない状態を自分に引きつけてしまうのです。
欠乏感を持つ人が不本意な生活をしていると、さらに大きな欠乏が加えられる。
潜在意識の働きとは、そのようなものなのです。こんな実話があります。
すごい節約家の学校の先生がいました。すでに利息だけで一生食べていけるだ
けの貯金をしていました。にも関わらず、先生の生活は次のようなものでした。
・校長になる誘いを断り続けた。理由は、校長になるとつきあいが増え、交際費
がかさむと考えたからだった。
・たまに肉を買って帰宅する時は、学校の電話を使って何軒かの肉屋に当たり、
一番安い店に注文した。
・通勤は自転車を使い、学校へ着くと屋内に入れタイヤの空気を必ず抜いた。
チューブの酸化を少しでも防ごうという配慮からだった。
・同僚が休日、先生の住む家の付近の城跡を見学し、帰りに遊びに行くという
計画を 立てたところ、ビール数本とつまみを持参して城跡に現れ、そこで
もてなしを済ませてしまった。
これが一生利息で食べていけるだけのお金持ちの日常生活なのです。 ここ
まで徹底していれば、逆にすがすがしいような気もしますが、先生はある日、
自転車で帰宅途中、急に意識を失い、そのまま亡くなりました。
先生は「今はがまんのときであり、現役を引退したら……」という心積もり
だったのかも知れません。 しかし、現役を引退してもゆとりのある生活をし
たかは疑わしいものです。 たぶんできなかったでしょう。どんなふうに生き
ようと、その人の自由ですが、あなたはこの先生のような一生を望まれますか。
マーフィー 運がよくなる魔法の練習帳 マーフィー理論研究会 編著