「人生とはその人が毎日考えている通りのものである」とアメリカの詩人エマーソ
ンは言いました。 潜在意識の理論はまさにこの言葉に要約されます。
両親と折り合いの悪い女性は、そのことが原因で病気を患っていました。 発作が
起きるとすぐ薬を飲んで何日か安静にしていなければなりません。 治癒の見込み
もなく、病気とは一生涯つきあうしかない、と医者から言われていました。
しかし、たまたまその女性はマーフィー博士のラジオ放送を聴いていて、たくさん
の病気の治癒例を学ぶうちに、自分の持病の原因がわかったのです。
彼女はさっそく、心の中で両親に会い、平静に愛情豊かに話ができるようになる
訓練を始めました。 そして、両親にも愛を注ぐべきだと真剣に思うようになりま
した。 六カ月の間、両親への愛と自分の病気の治癒を想像し続けると、薬がいら
なくなりました。 検査をした医師は「もう通院の必要はない」と言いました。
マーフィー博士は、よく奇跡的な出来事の話をされます。 そして、そのような出
来事を信じられない人々は、潜在意識の理論そのものに疑問を投げかけます。 車
の下敷きになった父親を助けるために、娘が独力で車を持ち上げたなどという話は
「とうてい信じられない」と一笑に付す傾向があります。
しかし、博士が述べる事例はすべて実例に基づいています。 車を持ち上げた娘
さんの話は、日付も名前も記録されています。
博士は奇跡というものを普通一般に考えられている奇跡の概念ではとらえていま
せんでした。 奇跡が一般に信用されないのは、科学で証明できないからです。
「まさか」「そんなことはあるはずがない」と考えられるような出来事が奇跡です。
博士の奇跡観は違います。
「奇跡とは自然の法則に対する侵害ではないのです。 奇跡は不可能なことを実証
しません。 可能なことを実証するのです」
人類は自分たちが築き上げてきた科学知識を何度も修正してきました。 潜在意
識識理論も従来の科学知識にはなじみにくい部分がありますが、最近は科学のほ
うが「修正の必要あり」と言われています。
マーフィー 運がよくなる魔法の練習帳 マーフィー理論研究会 編著