御家庭の幸せを願う印鑑『吉相印』

　　７９.悩みのとき自省すれば��喜びの芽″を発見できる

　　　三年間つきあった恋人に、他に好きな人ができて「彼女と結婚する」と宣言された 女性が取り乱してマーフィー博士を訪れました。 　「あんまりの仕打ちではないでしょうか。私はとても立ち直れそうにもありません」 　博士は聖書の言葉を引用して「どんな悩みの中にも、喜びの芽はある」という話 をしました。　それはこういうことです。 　彼女は自分が現在ひどい日にあっていると思い込んでいますが、相手は喜びに 満ちた新しい人生を踏み出そうとしているのです。　この場合、彼女の悲しみや苦 しみのみが正しく、彼らの人生がまったくの誤りであるとは言い切れません。 　彼女の苦しみをなくすために彼が戻ってくれば、今度は新しい恋人が苦しむこと になります。 　神の愛が、望む者すべてに注がれるものであるとすれば、誰かが苦しみ、悩む 今の状態は過渡的なものであることがわかります。　マーフィー博士は彼女にそ のことを教えたのです。 　「全能の神は、あなたのために何か素晴らしいものを用意しているはずです。 　ただ、あなたがそれを受け取るか受け取らないかは、あなた自身の選択によりま すが……」 　この一言で彼女は彼とその相手を祝福することを心に決めたのです。　それは 誰のためでもない、自分自身のためにです。 　すると、しばらくして予想外のことが起きました。　彼女を励ましてくれ、彼女も 好ましいと思っていた友人からプロポーズされたのです。　彼女はマーフィー博士 が最初に言った「悩みの中に喜びの芽がある」を文字通り実感したのでした。 　悩みを喜ぶとは一見矛盾した物言いですが、現実にそういうことはよくあるの です。　「ピンチはチャンス」というのもこれと同じことで、苦しいとき、悲しいとき、 悩み多きときこそ、心の内部に目を向ければ、その奥底に新しい喜びに満ちた 人生の芽が芽生えていることがうかがえるのです。 　悩みが深く、苦しければ苦しいときほど、意識の扉を開いて、心の奥底に目を 向けて見ることです。　神が愛にあふれた存在であることを忘れない限り、自分 にどんな愛のプレゼントが用意されているか、むしろわくわくした気持ちで待つ ことができるのではないでしょうか。　いついかなるときでも、神の愛を忘れない ことです。