《「いいこと」が次々起こる幸運な女の練習帳》
83.他人は自分の心″写す鏡
真の自己愛は利己主義や病的なわがままとは何の関係も
ありません。反対に神への健全な尊敬の表れなのです。
自分はいつも周囲の人間から迷惑ばかりかけられ、やりきれないと感じている女
性がいました。 ところが、フィー博士が会ってみると、事実は逆でした。
この女性は自分が嫌いで、その態度が周囲の人間とのぎくしやくした関係に表れ
ていたのです。
彼女の特徴は、他人に対してつねに批判的態度をとることにありました。 それは
言葉の上では一見妥当に思えるものでしたが、その根には自分への批判がある
ことに、彼女は気づいていなかったのです。 博士は言いました。
「他人のことはどうでもいいではないですか。 あなたが他人からとやかく言われたく
ないように、他人もあなたからそう言われたくはないのです。 他人にこう考えてもら
いたいと思うのなら、あなたがそう考えなさい。 あなたが他人にこうしてもらいたい
と思うのなら、まずあなたがそれを実践してみなさい」
彼女は自分の未熟さを嫌いながら、それを認めるのが嫌なために、他人の未熟さ
を見つけては批判していたのです。 そうすることによって、自分の未熟さを覆い隠す
ことができると無意識に思っていたのです。
人間のすることの中で、他人を批判することは一番簡単なことです。 どんな立派な
人間にも批判される材料はあるからです。 しかし、それを続けていると、自分への批
判となって跳ね返ってきます。
博士の一言で何かを感じた女性は、他人の批判をするのを止めました。変化はす
ぐに現れました。 彼女は陽気に振る舞えるようになり、それに伴って人とのつきあい
がうまく運ぶようになったのです。
他人は自己の鏡です。 他人の悪意が見えるのは、自分の悪意が投影しているか
らです。
彼女は自分を愛することを覚え、それを他人に放射するようになりました。 彼女は
利己主義でなく、自分という存在をこの世に送り出してくれた無限の英知への尊敬と
感謝の念なのです。
マーフィー 運がよくなる魔法の練習帳 マーフィー理論研究会 編著