御家庭の幸せを願う印鑑『吉相印』

　　感謝という行為には、よいものを引きつける磁石の効用があります。 　　たとえば何かをしてもらって「ありがとう」がいつも言える人は、人からも好か れ、よい機会にも恵まれる。　まさに博士が言われるように「恵みがとだえる ことがない」のです。 　　しかし、ある人はこう言うかも知れません。「それはわかる。でも私には感 謝するような材料が見当たらない」……と。 　　やることなすこと悪い方向へいってしまい「自分はツキに見放された」と思 っているような人は、感謝の言葉が出てきにくいものです。　そういう人は、 もう一度マーフィー博士のアドバイスを、注意深く読み直してみることです。 　　博士は「自分が受けているすべての恵みに対して…」と言っておられます。 　この視点からとらえれば、感謝する材料がない人は一人もありません。もし、 今のあなたが恋人に裏切られ、仕事もうまく行かず、経済的に困窮している としてもです。 　ユダヤの格言に「右手を骨折したら両手でなくてよかったと思いなさい。 　両手を骨折したら足まで骨折しなくてよかったと思いなさい。　両手、両 足を骨折したら命があってよかったと思いなさい」というのがありますが、こ の言葉はどんな状況でも「よかった」と感謝する材料はあるということです。 　たとえば国の年金制度への不信感が高まる中、「自分の老後はどうなる のか」と多くの人が不安に思っています。　　けれど、こういう視点から年金 問題を見るのは間違っています。 　感謝から始めれば、自分の置かれた状況が「まんざらでもない」ことが理解 できるようになる。　「ありがたいな」と思う習慣を身につけると、どんなこと でも「ありがたく思える」ようになってきます。　そうなったら、あなたは不幸 ですか、幸せですか。　これはもう論議の余地がないはずです。 　感謝するには材料を探しているようではダメなのです。　かりに不本意なこ とがあったとしても、とりあえず「ま、いいか」　と現状を受け入れ、感謝して みる。　感謝すると、不思議に心が落ち着いて、豊かな気持ちになれます。 　そういう気持ちになつたとき、あなたは一番富に近いところにいるのです。