愛する人のために必死に働きすぎて健康を害した、あるいは愛する人と一緒
にいたいために仕事を怠けて貧乏になった。このように、一般に愛は成功や健
康や富とは遠いところにある概念と受け取っている人も少なくないと思います。
しかし、マーフィー博士はまったく異なった形で愛をとらえています。 重
病で前途にまったく希望が見えなかった男が、愛を元手に健康と富と地位を手
に入れた次のような実例があります。
マーフィー博士はいかなる病気もその進行の度合い、治癒の可能性には心理
的要因がからんでいると言います。この男の場合、病気の原因は、生い立ちから
くる激しい憎悪だつたのです。
彼の幼い頃、彼の父親は破産し、銀行に家を取り上げられました。そんな体
験から、彼はあらゆる富裕階級の人間を激しく憎んでいたのです。その男の担
当医は、彼の健康を回復させるためには、心理療法すなわち憎悪をやめさせる
必要があると感じ、町行く人を相手に「愛と富について」のスピーチをするこ
とを勧めたのでした。
戸惑いながらも、男はそれを実行しました。初めは病気を治したいという功
利的な気持ちから、熟の人らないスピーチをしていましたが、そのうち真剣に
それに打ち込むようになりました。すると彼の心から、憎悪の気持ちが消え失
せ、それと同時に彼の病気はぐんぐんと快方へ向かって行きました。
まもなく彼は会社に復帰できるほどに回復し、かつて彼が憎んだ銀行に就職
そこで頭角を現し、人一倍の健康と人に勝る収入、地位を獲得したのです。
事態は彼が真剣にスピーチを始めたときから好転し始めました。それはなぜ
でしょぅか。彼は憎悪の対象にしていたものを愛の対象に転換したからです。
スピーチを続けているうちに「憎悪は病気と貧困を生み、愛は健康と富を生む」
ということを確信するようになったのです。
マーフィー博士によれば、富も健康も神から与えられたものです。それは無
限にある預金通帳のようなものです。ところが銀行を憎み、預金通帳を信用せ
ず、銀行へ行かなかったら預金は引き出せません。男は長年そうしていたのを
改めただけです。あなたの周りにもこの男のような人がいないでしょうか。
マーフィー 運がよくなる魔法の練習帳 マーフィー理論研究会