御家庭の幸せを願う印鑑『吉相印』

　　　最近、リストラが盛んに行なわれ、いつその対象になるかとひやひやしてい 　　る人が大勢いるようですが、マーフィー博士はアメリカのビッグチェーンスト 　　ア経営者と交わした興味探い会話を、その著書『眠りながら巨富を得る』（三笠書房刊）の中で次のように記しています。 　　「……会社をクビになる人の九九パーセントは、無能だとか、手くせが悪い 　　とか、のろまだという理由で解雇されているのではないそうです。本当の理由 　　は、自分の仲間やお客さんとうまくやっていけないところにあるのだそうです」 　　　これは隣人や仲間への思いやり、配慮の欠如が、仕事をする上での一大欠 　　陥であることを示しています。　職場で必要とされる価値ある人間になる最良 　　の方法は、愛をあまねく放射することと言えるでしょう。　博士が「愛」と言う 　　とき、かけがえのない、人間がよりよく生きる上で、絶対に避けて通れない重 　　要な概念としてとらえられています。 　　　なぜなら、愛とは宇宙を支配し、国家をつくり上げ、人間を結びつける、あら 　　ゆる結合力のことだからです。　このような愛の概念はマーフィー博士独特の 　　ものでしょうか。　 そうではありません。 　博士の愛の概念はバイブルの愛の 　　概念と同一のものです。 　　　たとえ、ば新約聖書の中の　「ローマ人への手紙」には、次のようなくだりが 　　あります。 　　「あなた方は、互いに愛しあうことのほかは、誰にも何も負ってはなりません。 　　仲間の人間を愛するものは律法を全うしているのです」（十三章八節） 　　バイブルでいう律法とは十戒のことで、姦淫を犯してはならない、殺人をし 　　てはならない、盗んではならない、むさぼってはならない……など人間とし 　　て、してはいけない事柄が定められています。　これを犯すのが「悪」という 　　ことになりますが、「ローマ人……」　の続きにこうあるのです。 　　　「愛は自分の隣人に対して悪を行ないません。ですから愛は律法を全うし 　　ているのです」　（十三章十節） 　　聖書に書かれたことを正しく実践するには、愛さえあればいい。　愛とはそ 　　れほど価値あるものなのです。 　　それは、仕事をするときにおいてもまったく同じなのです。