御家庭の幸せを願う印鑑『吉相印』

　　　薬局に勤めている薬剤師の話です。年齢が二十代だというのに「自分はこのまま 勤めて退職金をもらって退職する」という地味な人生設計を描いていました。 　マーフィー博上は彼にこう尋ねました。 　　「どうしてあなたは自分の薬局を持とうと思わないのですか」 　彼は 「薬局を持つほど資金がないから」と答えましたが、実はいままで自前の 薬局経営など考えたこともなかったのです。 　ですが、潜在意識の力を知ってから、彼は自分の経営する店にいる自分の姿を 想像し始めました。　店先でビンを並べたり、客の持参した処方に基づいて調剤を したり、数人の従業員に指示を与えたり…… 想像の店で働く自分の姿を克明に描 くのが彼の日課になりました。 　「そうであるかのように振る舞えば、そういう人間になります」とマーフィー博士は 言いますが、彼はまさにそのような人間になっていったのです。 　しばらくして思いがけないことが起きました。　彼は勤めていた店を解雇されたの です。　けれど、すぐにもっと大きなチェーン展開している店に雇われることになり、 すぐに店長に昇格、さらに何軒かの店を束ねる支配人に抜擢されました。 　おかげで収入も増え、数年後には独立するのに必要な資金を用意できるまでにな り、自前の薬局を持つことができたのです。　この成功物語には興味深い伏線がい くつかあります。 　もし彼が博士に自前の店の話をされなければ、ずっとそのままだったでしょう。 　彼にはそんな自信はまったくなかったからです。　潜在意識の力を知ったことが自 信につながったことは言うまでもありません。 　人が大きな夢や願望を持とうとしないのは、自分にそんなことができるはずがない と思い込んでいるからです。　ですが、誰でも潜在意識という強力な力を秘めている のです。　それに目覚めれば自信がわいてきます。 　なかなか自分に自信が持てない人は、経験したり知識を詰め込んだりすることよ り、まず潜在意識の法則を知ることです。