50. 利他の心がなくては巨万の富″もむなしいだけ!
成功者は「利他的に生きることが結果的には自分にとってプラスに
なることをよく知っています。
成功には三つのプロセスが必要である。…マーフィー博士はこう言います。 まず
第一段階は「自分が真にやりたいことを見つけ、それをやり始めること」です。 自
分がやりたいことなら、進んで続けることができるからです。
第二段階は、「その分野で一つ専門を決め、それについては誰よりもすぐれた存
在を目指すこと」です。 成功のためには好きなだけではだめで、スキルアップが
必要だということです。
第三段階は「目指す成功の中身が自分のためだけではない内容にする」というこ
とです。 博士は三つのうちでいちばん重要なのは、第三段階だと言っています。
これはどういうことかというと「利己的であってはいけない」ということです。
では利己的では成功できないのでしょうか。 そんなことはありません。 自分が
つくった目標を達成することを成功と言うなら、利己的でも成功者になることはいく
らでもできます。 マーフィー博士がおもしろい事例をあげています。
ロンドンのスリの名人の話です。 スリで巨額のお金を手中にした男は、博士に言
わせると「まるでイギリス王侯か貴族のような豪華な生活」をしていたそうです。
自分だけのことを考えれば、この人も立派な成功者です。
でも、彼はたえず逮捕におびえ、たくさんの病気を抱えていました。 博士の忠告
に従ったのかどうかわかりませんが、その後、彼は警察に出頭、罪を償いました。
この事例はかなり極端ですが、この種の成功者も世の中にはたくさんいます。
マーフィー博士は、あまりほめられない方法で財産をつくったり、世の中に奉仕す
る目的のない成功を「成功」と呼ぶことはできないと言っています。 もしこの基準
に当てはめたら、世の中から数多くの成功者が消えてしまうでしょう。
それでも人は利己的な成功を望むかも知れません。 潜在意識は無選択で機能
しますから、扱い方を誤らなければ、どんな望みも叶えてくれます。 善悪の判断
や平和とか幸福とは関係なく、望みは実現してしまうのです。
でもよく考えれば、私たちが成功を願うのは、幸福や充実した生活を求めるからで
す。 それが得られないとしたら、成功に何の意味があるのでしょうか。 潜在意識
を仕事で活用しようとする人は、この点をよく考えてみる必要がありそうです。
マーフィー 運がよくなる魔法の練習帳 マーフィー理論研究会 編著