《〝美貌″と〝健康″を望み通りに手にする方法》
６１. 〝愛の呼吸法″は何にも優る治療薬となる
他人に愛を与えない。とは、自分に与えるものを与えないのと同じです。
潜在意識の法則に「他人のためにすることは、自分自身のためにすることに等し
い」というのがあります。 「情けは人のためならず」という諺も似たような意味
です。 このことをマーフィー博士は「他人に愛を与えないことは…」と表現して
いるのです。 呼吸法のコツも、まず息を吐き出すことが先行します。 吐くこと
によって自然に新しい空気が吸えるのです。 愛はまず他人へ自分の愛を放射する
ことで、より多くの愛が自分の中に舞い込んでくるのです。 だから私たちは自分自
身の健康や幸福、成功のために、できる限り愛を放射しなければならないのです。
一人の実業家が絶望の淵に立たされていました。 難病が原因で再起不能の病
床にあり、事業も傾き、すべてが最悪でした。 彼が恐れているのは死のみ。 そ
のような状況の実業家をマーフィー博士が見舞いました。 博士はどんな励ましを
したのでしょうか。
それは愛でした。博士はいま遠くにいる十五歳になる彼の一人娘を引き合いに出
し、「彼女はまだあなたを必要としている」と説いて聞かせました。 早くに母親を
亡くしたその娘にとって、実業家は父親であり母親でもあったのです。
自分の病気のことにばかり頭がいって、人へ愛を注ぐことを忘れていた実業家
は、マーフィー博士によって、自分が愛を与えなければならない対象として一人娘
がいたことを思い出したのです。 博士は実業家に簡単な祈りの言葉をつくってあ
げてから引き上げました。
間もなく実業家は難病を克服し、破産寸前だった事業を盛り返し、娘とともに幸福
に暮らしています。 この奇跡的な快癒はいったい何だったのでしょうか。 それは
言うまでもなく、他へ愛を注ぐことによって、自分にも必要な愛を与えたのです。
これを医学的な見地から説明すれば、絶望的状況の体内には、有害なホルモン
等が分泌されて、肉体も精神も悪化していくが、娘に愛を注ぐことによって、体内に
有益なホルモンを分泌させ、自己の持つ自然治癒力を劇的に高めた……と解釈で
きるでしょう。
この肉体の変化は、今日では脳波測定によって、ほぼ正確にたどることができると
言われています。 他人に愛を与えることは慈善でも恩恵でもありません。 自分が
よりよく生きるために必要不可欠なことなのです。
マーフィー 運がよくなる魔法の練習帳 マーフィー理論研究会 編著
