御家庭の幸せを願う印鑑『吉相印』

　　８１.　十一カ月であなたの心も細胞も生まれ変わる

　　取り返しのつかないような大きな罪を犯した人間は、その後どんな善を実践Lて も、愛を振りまいても、その罪は消えないものなのでしょうか。　マーフィー博士は、 弁解のできない大きな罪を犯した人間でも幸福になれる権利があると言っていま す。 　博士はその論拠として次のような例をあげて説明しています。 　殺人の罪を犯した男が罪を償って社会に復帰し、結婚して子供までもうけたにもか かわらず、昔の罪の意識で心からの幸福感を味わえないでいました。 　彼は兄弟を殺したのでした。　兄弟は彼の妻と密通しており、それを知った彼と兄弟 が争った際にあやまって殺してしまったのです。　もう十数年前の出来事で、法的な 決着もついていたのですが、罪の意識が払拭し切れないでいたのです。　 博士は次のようなアドバイスをしました。 　「人間の細胞は十一カ月で全部入れ替わります。　そして、あなたの精神もすでに 新しく生まれ変わっているから、あなたは昔のあなたではありません。　もうまったく の別人です。　罪を犯したあなたはもうどこにもいないのだから、自分を今責めるこ とは無実の人を責めるに等しいのです」 　過去の行状がどうであれ、現在、愛と善意に満ち、自然と調和した考え方をするな らば、あなたの生命はあなたに健康と活力と調和、そして平安な生活を与えてくれ るのです。 　　この男性は博士の言葉に触発されて、長年、心にのしかかっていた重石を取り去 り、真に幸福な人生を歩み始めました。 　過去の罪を帳消しにできないと思い込み、絶望的になって善や平和から自らを遠ざ ける人が少なくありません。　しかし、それは顕在意識だけの判断であることがほと んどで、そういうときこそ潜在意識の声に耳を傾けてみるべきです。　潜在意識はあ なたがしなければならないことを直観として教えてくれます。 　不幸な愛の過去にとらわれている人も、同じように考えればいいのです。　あなた の過去はあなたではない。　あなたは新しく生まれ変わっている。　潜在意識に今 のあなたの願望をインプットすることのみを考えればよいのです。